偏差値50ってどのくらい？｜中学・高校・大学入試での受験者数の違いと捉え方

そもそも偏差値って何？基本の理解

偏差値とは、ある集団（母集団）における得点のバラつきを加味し、「自分の得点が平均からどれだけ離れているか」を相対的に示す指標です。

偏差値の計算式

偏差値 = (得点 − 平均点) ÷ 標準偏差 × 10 + 50

偏差値の性質として、得点分布が極端であれば偏差値が100を超えたりマイナスになったりする可能性もあります。（極端な値のデータを「外れ値」とも呼びます。）

重要なのは、「偏差値は母集団に依存する指標」であり、同じ得点でも母集団の平均・ばらつきが異なれば偏差値は変わるというです。

偏差値50は、「その集団で平均点を取った人の偏差値」というのが定義です。

つまり、得点が平均点と同じなら「偏差値＝50」、平均より上であれば50より大きく、下であれば50より小さくなります。

ただし、これはあくまでも「ある特定の集団」における話です。

集団が異なれば平均点も異なるため、偏差値はあくまでも「ある特定の集団の中」で比較するのには役に立ちますが、異なる集団との間で偏差値を比較することはできず全く役に立ちません。（意味を成しません。）

文部科学省のデータによると、2024年度の小学6年生（約103万人）のうち、
約19％が中学受験をしたとされています。

つまり、およそ20万人前後が中学受験をしているということになります。

中学受験をするのはそれなりに学力のある生徒がほとんどであることから、この20万人前後の生徒は、全国の小学生の中でも上位層だということが言えるでしょう。

したがって、すでにある程度の学力を持った生徒を母集団とする中学受験では、偏差値が高い生徒達の集まりでの戦いということになります。

2024年度の中学卒業生は約105万人とされており、文部科学省のデータによると約99％が高校へ進学しています。

さらに全日制高校への進学率は約84％とのことです。

これらを計算すると、約87万人が全日制高校へ進学しているということになります。

つまり、高校入試は全国の高校生のうち「ほぼ全員が受験する」試験と言えるでしょう。

したがって、高校入試における母集団はほとんどの生徒が含まれていることになるため、高校入試の偏差値は自分の学力を把握する基準として最も分かりやすいと言えるでしょう。

文部科学省のデータによると、2024年度の大学入試において高校卒業生のうち大学へ進学するのは約59％で、短大や専門学校を含めると約84％、つまり約92万人に達します。

また、共通テスト志願者数は浪人生も含めると約49万人です。

したがって、大学入試では母集団が高校入試よりは小さく、なおかつ学力上位層が中心となるため、高校入試よりも母集団の学力が高いことが予想できます。

※上記文中の数値は、文部科学省などの調査データから算出したおおよその数値となりますのであくまでも目安としてご認識ください。

偏差値は母集団の学力に依存し自分の学力の位置を分かりやすくしてくれるものですが、異なる母集団同士の偏差値は比べることができません。

中学受験での偏差値と高校入試での偏差値、大学入試での偏差値は捉え方そのものが異なり、難易度の捉え方も変わります。

ここまでの内容から、高校入試を基準として考えた場合の中学受験と大学入試における偏差値を考えてみると、下記のようになります。

※あくまでも、大まかな目安と捉えてください。各レベル層により大幅に前後する可能性もあり得ます。

たとえば、高校入試の偏差値50は「進学校ではない一般的な高校レベル」ですが、中学受験での偏差値50は、高校入試における偏差値65前後に相当する難関校レベルです。

大学入試で言えば、GMARCH（学習院・明治・青学・立教・中央・法政）クラス、偏差値60前後に匹敵します。（ただし、学部によって大きく変動します。）

つまり、偏差値50は、高校入試ではいわゆる平均であっても、中学受験・大学入試では上位層に属する優秀な成績と言えるのです。

もしあなたが中学受験や大学入試で偏差値50を取っているなら、それは同学年全体から見れば「真ん中」どころか、むしろ「誇るべき上位層」なのです。